4:肝

 

過去の毒たちが 今尚 彼を侵し続ける

それから 逃れようとすれば するほど

 

それが 禁忌のように

 

 

 

夜の箱のなかに響く 水音

互いを求めてやまぬ 毎夜繰り返されるその行為

 

しかし 今宵は何かが・・?

 

「けん  心っ ・・ 今日は どうし・・たの?」

乱れる呼吸の中 必死に言の葉を紡いで 問うてみる

 

すると 彼は 昼間からは想像できない 艶っぽい笑みを称えながら

一層 私の奥に侵入する

 

「あっ! やあ・・剣 心っ!!」

 

「薫・・もっと乱れて  そして俺の望みを叶えて」

 

「のぞ・・み? っはんっ・・」

 

朦朧とする意識の中、滅多に何かを望んだことの無い彼の 珍しい言葉に嬉しくなる

人の幸せだけを望んでいるような そんな人だから

 

他人の幸せを望む それは とても素敵な 尊いことだけど

彼はどこか 自分は幸せになる権利は無いと無言で言っているようだから・・

 

そんなことは無いのに

それよりむしろ

今まで 誰よりも傷ついてきた 苦しんできた彼こそが

一番に 誰よりも幸せになる 権利を持っているのに

 

だから、  嬉しい 彼の望みが何なのかは分からないが

それは おそらく自分が叶えてあげられるものなのだろう

 

「・・欲し・・いんだ」

剣心も 息を乱し 夢見心地で腰をおくりながら言った

 

「何を?・・ヒッ ・・私が・・あげられる もの?」

 

その途端 剣心は 一層薫を激しく攻めたてながら

 

「薫との・・子が 欲しいんだ・・っ!!」

「!!」

 

心と体の強い刺激によって 意識が飛びかける

 

体の奥に 彼の熱い思いを感じながら 薫は押し寄せる波に 彼に 全てを預けきった

 

 

 

 

絶頂の直前に聞いた彼からの言葉は

今まで聞いた どんな句よりも嬉しく 重く そして未来を約束する言葉だった

 

そして 決して全てではないが、彼を侵す毒が 少し解かれた瞬間だった

いつの日か 完全にそれが無くなるのなら

解毒できるのなら 私でも差し出すよ?

 

だから 怖がらないで 一緒に 幸せになろう・・

 

 

 

     えっと・・ソフトながら恥ずかしいよ〜 

なるべく 直接的な表現は避けたのですが。

次回 最後です

テーマは『子宮』

あは・・